依存
依存
どうしてここにいるのか。
何故存在しているのか。
何がしたいのか。
わかっているようで、何もわからない自分の心。
それがただただ不愉快で、意味もなく湧き上がる嫌悪感に、吐き気すら起こる毎日。
どんなに問い続けても夜は明けて朝になり、それが終わればまた夜になる。
永遠と続くその時間を、幸せだと言う人間もいるが、そもそも幸せとは何なのだろう。
薄っぺらな日常、現実味を欠ける生活。
生きている実感もないままに過ぎることにどんな意味があるというのか。
身体は動いているのに、自分の意思で動かしているはずなのに、違うという思いが消えない
日々をどうしたらいい。
本当に自分はここにいるのか、そんなことまで考えて気持が悪くて。それともこうやって考
えることすら自分のものではないのかもしれないことに思いつき、苛立つ。
だから、思うのか。生きている意味がない、と。
いっそのこと誰か殺してくれればいいのにと思う。
それが彼であれば。
―――嬉しいのに。
無意識にそう思った自分に、今度は吐気がした。
ふいに眼が冷めた。暗がりの中、目を凝らして時計を見れば、針は午前5時を指している。
寝直そうと思ったが、夢の内容の所為か妙に目が冴えてしまい、眠れそうになかった。
溜息を吐いて、中途半端に目覚めてしまったことで痛むこめかみをもむ。
「夢は嫌いだ」
幾度見ても慣れない夢の感覚。とくに最近は夢見が良くないからなおさらだ。
夢は願望だと、誰がいったのだったか。
さきほどまで見ていた夢を思い出して、顔をしかめる。
夢で見るほど、たった一人にここまで縛られているのかと思うと情けない。
ましてや自分の存在意義すらも考えてしまうほどに想う相手とは。
(いっそ壊してしまおうか)
今の関係を自らの手でなくしてしまえば変わるだろうか。
けれど、それが出来ないことは自分が一番よく知っていて。
今の関係を続けるのが自分の望みであり、苦しくても、胸が痛くても、望んでいる時間なのだ。
だからこの関係は壊せない。
彼が自分を見限らない限り、甘く続く、そう幸せともいうべきもの。
(これじゃあまるで…)
その先は考えないように、口端を僅かに歪めて目を閉じる。
すでに目は冴えてしまい、眠れそうになかった。
そういえば、今日は昼を一緒に食べると約束していたか。
前に一度、彼に聞いたことがある。自分といて楽しいのかと。その時の彼の眩しい笑顔と、当たり前だと
言ってくれた言葉が、どれだけ嬉しかったか。
そんな彼にうまく気持ちを伝えられない自分がもどかしく、けれど彼は分かっているというように笑って
手を伸ばしてくれた。
彼のすべてが愛しくて。側にいたくて。どうしても手放せない自分を知る。
いつか自分のこの想いが彼の枷になってしまうのではないか、そう不安になるけれど。
(それでも自分は…)
瞼を降ろて世界を遮断する。
痛みで疼く胸を無意識に抑えながら、何度も彼の名前を呼んでいた。
ルルーシュ?それともスザク?
みなさまのご想像にお任せします…
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